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2017.04.10

桜のときに

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<入り江川せせらぎ緑道>

横浜の桜は、ここ2日ほどの冷たい雨にも負けず満開。

東京都庁の新入社員は、2000人が入社式ならぬ、入都式に臨んだと。
都庁裏の西新宿公園の桜を、どんな気持ちで、新人は眺めたのだろうか。2000人の大量採用とは、都庁はなんと盛大なことだよなあと、また多くの若者が、都庁を志願するんだなあと、都庁は沈まない巨大軍艦のようだなあと思う。

大学を出て就職先は、単純に京都の町が好きだからと、京都にある小さなメーカーを選ぶ。4月の入社式には、採用された100人が京都本社に集まる。当時、中小企業にとっては大量採用だったが、高度成長の始まりで、経営者は思いきったのだろう。
東京採用組の10人は熊野神社の側の旅館が宿で、そこから入社式、研修に通った。熊野神社に桜が咲いていたのだろうが、のんきで、だらだらした学生から、終日働くことに慣れるのに必死で、花をめでる余裕など皆無。
寒い冬から、ようやっと暖かくなって、桜が咲いて、なにか良いことが起こるかもしれないという、胸のときめきは、なかった。

西行法師は、『願はくは花のもとにて春死なむその如月の望月の頃』(願いがかなうなら、桜の下で、如月<2月>の望月<満月>に時にしにたいものだ)と詠んだが、それほど桜が綺麗だったんだろうか。

桜に、いまや胸のときめきはないが、咲いているだろうかと、近所の4か所を徘徊する老人となってみる。1.入江川せせらぎ緑道。生活排水の汚いドブを地下に埋めて人工の川としたものだが、いまは、住宅の間の自然の遊歩道で、スーパーへ行くのも散歩にも、最適。

 


Img_0157 2.三ツ池公園。週一の仲間とのテニスコートがある。逝ってしまったテニスの世話役との花見の約束が果たせなかった。

 

Img_0167 3.豪邸。テニススクールで知り合ったおじさんの庭は広く、桜の木がいっぱい。お友達になって、豪邸に招かれお酒でも飲みながら桜を観たいと思っていたが、親しくなれず、残念。

Img_0138_2 4.総持寺。本堂の地下の広大な講和室で結婚式を挙げた。仏式の結婚式は、はやらず、いまは、つぶれて営業していない。

先日亡くなった詩人の大岡信は、西行法師の『願はくは花のもとにて~』を解説している。「~「如月の望月のころ」は二月十五日(満月)をいう。太陽暦では三月末に当たる。西行の熱愛した桜の花盛りの時期に当たるが、また釈迦入滅の日でもある。出家の身として、とりわけその日に死にたいという願いをこめた歌だが、驚いたことに、彼は願った通り、河内の弘川寺で、建久元年二月十六日に没した。」と。

散り始めた桜を眺めながら、西行法師のように、桜のときに、死にたいとは少しも思わないなあ。

 

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