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2017.04.16

次郎は次郎でも

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近くの銭湯へ行っているときに、家からの連絡で、大佛次郎賞の受賞の知らせを聞いた。芥川賞、直木賞は候補作が分かっているので、作家は結果を待っているのだが、それ以外文学賞は、突然の知らせになる。」と作家の浅田次郎は講演で話し出す。

優れた散文作品に贈られる大佛次郎賞を、作品「帰郷」で受賞した浅田次郎の受賞記念講演会を聞きに出かける。
JR関内駅を降りて、会場の横浜開港記念館へ向かう途中、横浜スタジアムのある横浜公園の真っ盛りの赤や黄色のチューリップを見て、家人はなんて見事なチューリップだこと、と歓声をあげる。
歴史的建物の横浜
3塔の内の一つ、横浜開港記念館ジャックの塔は、レンガ造りで、天井の高い講堂は中高年で満席。並んで席に着く家人は、新田次郎さんはどんな話しをしてくれるんでしょうねというから、その人はもう亡くなったよ、次郎は次郎でも、今日は浅田次郎だよと。

最近、西太后や張作霖や、最後の皇帝溥儀、などが登場する清朝末期の中国の近現代史を描いた「蒼穹の昴」、「中原の虹」を読んで、現代に近い中国の歴史にすっぽりはまって、浅田次郎は面白いと、この講演に家人を誘った。
浅田次郎は、中国、幕末、戦争の3つを中心に作品を書いているが、今回受賞の「帰郷」は戦争をテーマにした6作の短編集。「帰郷」のタイトルは、大佛次郎が同名の小説を書いているのに敬意を表して付けたが、それがまさか大佛次郎賞とは思ってもいなかったと。

戦争を体験していない世代(
66歳)でおこがましいが、なぜ戦争を書くのかといえば、当時は国民皆兵で一般の人まで戦争に狩り出されて、兵隊として苦悩する姿に文学的な価値があると。戦争は生と死を問われるもの、あらゆるドラマが詰まっていると。政治を文学が制御することが出来るからと。
あと
20年、30年と書き続けたいと、頑丈そうな小さい体で、てかてかと輝く頭を振りながら、1時間たっぷり元気にしゃべる。戦争小説は、まだ戦争に行った人が存命で、間違いを指摘されたりする。しかし、年を重ねると臆病になるが、勇気を出して書きたい。書きたいことが山ほどあると言う。この爺さん、きっと長生きしそうなバイタリティーにあふれている。

夕日を背後から浴びて黒くたたずむ横浜開港記念館を後にして、近くのサンドイッチハウス・リヨンで、コーヒー・ケーキを美味しくいただく。銀製のコーヒーポットに入ったコーヒーは、高級ホテルのコーヒーのように味わい深かった。

 

 

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Comments

私もつい最近まで浅田次郎と新田次郎を混同していました。
さすがに、大佛次郎は別格ですが。

浅田次郎いわく、次郎のつく作家は、人気なんだそうです。
ほんとかなあ~

赤川次郎、阿部次郎、神坂次郎、石坂洋次郎なんかがい
ますねえ。

40代でビューの遅咲き作家、自衛隊経験者、日本ペンクラブ
会長、多作、まあー元気なおやじでした。

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